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2009年1月11日
本日の一冊>川端康成の著「名人」「
◎無敗の名人」といわれた本因坊秀哉名人が、若き挑戦者・大竹七段(現実には木谷七段)との引退碁に臨むという物語です。碁についてまったく無知な私は持ち時間は各自40時間という特別ルールで打たれたこの一局が、名人の入院など様々な理由で対局延期が繰り返され、終局まで半年以上もかかったという歴史的な事実にまず驚きました。「一芸に執して、現実の多くを失った人」と悲哀に表現している著者の筆致は、名人流を一貫し、「芸」としての碁を極めようと戦った名人へ単なる悲哀以上の感動と敬意がこめられています。晩年川端康成が自ら命を絶った事と重ねるならばその冷徹なまでの筆に圧倒されました。何事にも動じない、ゆるりとした全ての事項への名人像垣間見られるのですが残念な気持ちの読後感も少々・・・・・。
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