新・百人一首 アーカイブ

2013年9月20日

死ぬわけにはいかないと思う父の心情

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「父君よ今朝はいかにと手をつきて問ふ子を見れば死なれざりけり」落合直文の歌。病床の父を毎朝見舞う子供との絆を詠んでいる。島木赤彦「隣室に書(ふみ)読む子らの声聞けば心に沁みて生きたかりけり」を連想対比して鑑賞します。

2013年9月 2日

北原白秋の思いの証し

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「君かえす朝の敷石さくさくと雪よ林檎の香のごとくあれ」雪の積もった敷石をさくさくと踏んで帰る一夜を伴にした女性の思い出を包み甘酸っぱいリンゴの香りを残して降る情景・歌集「桐の花」より

2013年8月28日

歌人 明石海人重みある絶望からくる言葉

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「この空にいかなる太陽のかがやかばわが眼にひらく花々ならむ」一首の世界。26歳の青春時代にハンセン病⇔らい菌の感染により皮膚、粘膜など末梢神経、を好んでおかす病によって失った視力へ希望の花々を現世の太陽では希望をもたらすまでには至らなぬ病診断を受けます

2013年8月28日

季節は晩夏ながら日本を代表する桜を詠む

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雪鬼華麗の一首「夜半さめて見れば夜半さえしらじらと桜散りおりとどまらざらん」馬場あきこ桜が巡るなかで人生をしみじみ感じている様子伝わります写真は岡田定幸・氏◆さくら花幾春かけて老いゆかん身に水流の音ひびくなりも馬場の歌

2013年8月21日

情報工学の専門家・酒井修一

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「目に迫る一山の雨直(すぐ)なれば父は王将を動かしはじむ」郷里・松山で父親と将棋盤を挟み王将動かざるまで追い詰める父と子の対座。東大大学院教授の若かりし頃の歌集「ラビュリントスの日々 」

2013年8月20日

和歌&俳句に櫻は欠かせない大いなる存在

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「櫻ばないのち一ぱいに咲くからに命をかけてわが眺めたり」岡本太朗の母として従来の伝統的な「桜」への思いとは一線を画した桜に命をもたらす歌集「浴身」作品。

2013年8月16日

女の美意識「髪五尺」与謝野晶子

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「髪五尺ときなば水にやはらかき少女(おとめ)ごころは秘めて放たじ」みだれ髪の一首です。奔放で官能的な女性の美意識が香って来る与謝野昌子没したのは昭和十七年。横田生まれたのが昭和十八年。終戦記念日の八月十五日に巡り合わせで声にだしていたこともあり、送り盆に再掲

2013年8月11日

「まつぶさに眺めて悲し」が、胸を打つ!

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水原紫苑「まつぶさに眺めて悲し月こそは全(またたき)裸身と思いたりぬ」太陽は眩しく星の瞬きは遥か彼方。月はいつも身近な存在としてまるで裸身をさらけ出す。人に接する作者の描く美と悲しみのコラボ

2013年8月 5日

バリケード1966年福島泰樹 昭和18年生まれの同輩

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「一隊を見下ろす夜の構内に三〇〇〇の髪戦(そよ)ぎてやまぬ」学園紛争の全盛時に横田は日大の学生でした。闘争とは無縁の学生でしたが、青春の高揚と不穏な雰囲気を当時の日本大学新聞記者として見つめていた事を思い起こします。

2013年8月 5日

サラダ記念日で人気の 俵万智

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「寒いね」と話かければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ。何気ない「寒いね」の言葉が人と人の心を温かく結びつける効果をもたらせています。たかが相槌されど相槌。作者の暖かい心情大好きです

2013年8月 5日

獅子座流星群・小島ゆかり

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「そんなにいい子でなくていいからそのままでいいからおまえのままがいいから」母としての願いは健康でいて欲しいという愛情深い気持に満ちています。背伸びをせず平平凡凡な姿勢を適格に歌い上げています。好人好日精神
の絆

2013年8月 4日

新・百人一首に関連した詩人若松丈太郎(ひとのあかし)

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ひとは作物を栽培することを覚えた。ひとは生きものを飼育することを覚えた。作物の栽培も生きものの飼育も。ひとがひとであることのあかしだ。あるとき以後。耕作地があるのに作物を栽培できない。家畜がいるのに飼育できない。魚がいるのに魚ができないということになったら。ひとはひとであるとは言えないのではないか。

2013年8月 4日

平成二四年歌会始めの御題(岸)皇后美智子

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東日本大震災で失われた人々への気持を「帰り来るを立ちて待てるに季(とき)のなく岸といふ文字を歳時記に見ず」と御歌通じて忘れてはいけない四季を問わず待ち続けなければならない者の心に触れた優しさです。

2013年7月29日

生涯に九万三千首を超える「明治天皇御製謹解」

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「あさみどり澄みわたりたる大空のひろきをおのが心ともがな」明治維新を成し遂げられた明治大帝。日露戦争時に糖尿病に伴なう合併症を抱え戦況を見守られる日々の中で心身の悩みと異なり伸びやかな歌を残されています。

2013年7月29日

詩人・歌人・劇作家=寺山修司

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「マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや」昭和30年代の作品。今は禁煙が大手を振る時代。国家と個人の軋轢。旧来の日本と新生なる日本(回帰&創生)は葛藤しており、その気持を煙草すうためのマッチ棒を擦る所作の中に見出しています。

2013年7月25日

一握の砂「石川啄木」

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「やはらかに柳あをめる北上の岸辺目に見ゆ泣けとごとくに」(やはらか)(柳)(北上)(岸辺)(目)(見)ひとつひとつ
の単語を通じて啄木は望郷の思いを歌に託していると捉えました。

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