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2009年5月 6日
五木寛之&香山リカ>「欝の力」=幻冬舎刊
★日本人が直面する鬱について、心の問題をテーマに、福岡出身の作家・五木寛之と、北海道出身の精神科医・香山リカが徹底的に語りあった対談集形式の新書です。
★「鬱」を「明日へのエネルギー」に変える新しい生き方として捉えた視点から様々な項目を熱く論じます。
★最近の直木賞受賞作について。迫りくる一億総ウツ時代。最近の政治家やスポーツ選手の騒動。うつ病急増。減らない自殺。共同体崩壊など、一つの一つのテーマにまつわる周辺の今を地軸とさせて語る姿勢に好感抱きました。
★ うつ病に関わる人をみていると、時として飯のネタとしがちな議論が盛んである昨今、対談は、病として治療対象にすべきうつ病とは別に、時代の持つ欝の雰囲気、欝の力、欝という可能性を提示しています。
★うつ病と欝状態を区別することはきわめて大事です。うつ病の安易な拡散を問題視し、病気だから治せばよいという短絡的な発想へ警鐘を鳴らし事態の正常化の処方箋感覚で読み終えました。
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