遊びの舞台裏日記

◆遙洋子＜公式サイト＞
◆＜介護と恋愛＞いくつかの配慮から人物設定や描写について事実と異なると、作者があとがきで断っているけれど、人工呼吸器装着24時間在宅介護３０歳の3男、気管切開して声を失った94歳の病院にいる母、毎朝の食事を受け持っている84歳の義理の母。一日の大半をほぼ一人で介護に明け暮れている女房。そうした個人的な事情を抱えている私にとって、この本は、生々しくて過激な告白的エッセイです。大阪在住独身のタレント遙洋子が仕事をし、恋愛真っ最中で、父親の介護しなくっちゃならない様子描かれています。横田、一度は、琴似のクスミ書店で立ち読みし、改めて買い求めじっくり読破しました。兄弟や兄嫁などが父親と同居した中での介護。一人っ子である我が家における日々の中で色々と突きつけられる介護。介護を分担できる兄が5人。兄嫁たちも協力的。にもかかわらず、何をしていても罪悪感を覚えるという著者の記述を読みながら息子や母の苦しみを、仕事で気を紛らわせている自戒でもありました。あわせて、お母さんの介護に加え自分の仕事を見事にやり遂げている身近な女性に重ねてみました。「重い、辛い、暗い」介護者の肉体面のしんどさ、「もう介護なんていやだ！」という正直な声。精神的負担と、肉親への愛情。介護疲れはなどという甘っちょろい考えを吹き飛ばす親との関係。仕事にしても、恋愛におけるスタンス面でも筆者の語り口が、時に笑いを誘う筆致に驚かされました。恋愛も介護も、確かに奇麗事で済まない辺りは、恋愛ロードを突っ走ってきた作者が、ある日介護という大きな崖と恋人からの結婚宣言を境に、その現実を逃避せず敢然と立ち向かいます。告白エッセイは自分の痛みを本質的に理解しない恋人への怒りの重さを知るところで終結する形をとっています。翻って能天気な私と真摯な女房、義母、風呂介護、リハビリ介護に来てくれる人たち。加えてお母さんの介護に邁進する身近な女性の精神的なストレスの受け皿感覚で福祉ワールドを学び全ての人に素直に感謝です。

介護と恋愛>遙洋子の中で横田が心に残った箇所項目①～⑨まで

①テレビバラエティ番組スタジオ20代女性への関心あることアンケート
＜グルメ情報＞＜ダイエット方法＞＜格安エステイック＞の中でただ一人＜介護について＞と答えた人がいた。その一人が此れから失望、絶望の末に「自分を頼りに生きていくしかない」と思い知るであろう・・・遙洋子

②社会が平等でないのに雰囲気だけは平等な風潮よりも
現実の差別とそこで生き抜くノウハウを身につける★「そうあるべきよりも」「実際そうなんだから」で生きる★「援助交際は辞めましょうよりも」「コンドームを配るしかない」★「人はみんな尊敬されてしかるべきよりも」「舐められないように工夫する」★「差別はよしましょうよりも」「差別から隠れる戦う、覚悟する」待ち受けている差別を教えるべき。

③「あの父が入院します」長い沈黙の後「行っても、よろしいんでしょうか」父のお妾さんの答えだった。「えっ！入院？何の病気？いつから？どこ？」という普通の会話ではなく「来てください」「いいんですか」だけの会話であり、あっ！やっぱり、妾だと確信した

④親は全面的に自分を応援してくれた。花形の仕事といわれるテレビ司会の位置におさまり、いずれ一人娘として親の介護に即した生き方を頭で描いていたけれど、現実を目の前にして介護に明け暮れる人生の前にデートや結婚を夢見ていることに気づいて介護の恐怖から逃げたいとおもう自分をどうするか悩んでいる

⑤風に戸惑う弱気な僕/通りすがるあの日の幻影/本当は見た目以上/涙もろい過去がある/止めど流る清か水よ/消せど燃ゆる魔性の火よ/あんなに好きな女性に/出会う夏は二度ない/人は誰も愛求めて/闇に彷徨う運命/そして風まかせOh,My destiny1/涙枯れるまで＜TSUNAMI>

⑥私はあわてられるぶん、余裕がある。泣けるぶん時間がある。騒げるぶん体力がある。その全てをしなかった。精神の強さ？介護への姿勢にお逞しさと冷静さに尊敬の眼差。痛みと切なさと壮絶の介護と云う現実・・・本当に大変な人は静かである。と遙洋子は悟る。

⑦自分が嫁いで介護するとなったら、やり方が判らない実の親よりも日頃生活をともにしている夫の親の全てがわかる介護の鬩ぎ合い

⑧恋人から結婚を申し込まれた。親の介護が条件想定にある事をしった。全て好きならすべて私の望み通りの男になれないの？貴方が私のところに嫁ぎなさい

⑨夢がおわり目覚める時/深い闇に夜明けが来る/本当は見た目以上/打たれ強い僕がいる/涙を出しそうな空眺めて/波に漂うカモ/きっと世は情けＯｈ．Ｓｗｅｅｔ．ｍｅｍｏｒｙ/旅立ちを胸に/人は涙見せずに大人になれない/Ｉknow気づいているHoo・・・・＜TSUNAMI>